深川東京モダン館とインターナショナル・スタイル

深川東京モダン館とインターナショナル・スタイル

深川東京モダン館とは?

  • 構造   :鉄筋コンクリート造
  • 階数   :2階建
  • 建築面積 :168㎡

深川東京モダン館は元々、昭和7年(1932年)に東京市深川食堂として営業を開始した公営食堂です。公営食堂としての役割は5年で終わりますが、その後も様々な用途に活用され平成20年(2008年)に国登録有形文化財建造物に登録、翌年の平成21年(2009年)に現在の深川東京モダン館として開業しました。

図形的な外観

南西から建物を眺めると矩形のように見えますが、矩形ではなく不整形な平面の建物です。

まず、外観はクリーム色と濃い茶色の2色のみですっきりとした色使いです。

一番印象的なのは南西面の外壁です。一つの壁面に縦長の大窓、3×2のグリッド状に設けられた丸窓、そしてその下にも矩形の窓が設けられています。一方で南面は二階と一階ともに水平方向に素直に窓が設けられていて印象的な南西面とは対照的です。

この南西面の縦長窓の内側は吹き抜けた階段室になっていて、上から吊り下げられた照明器具が覗いていて、夜の光景も見てみたくなりました。なぜかこの面の片端は外壁が出っ張っているのですが、これはどういう意図でこうなったのでしょうか。外観を眺めただけではピンと来ませんでした。

東京市深川食堂とインターナショナル・スタイル

東京市深川食堂が営業していた当時は、インターナショナル・スタイルと呼ばれる建築様式が見られていた時期と重なります。

装飾を排除し、シンメトリーよりもバランスを重視、量感よりも空間感覚で建築を捉えることによって、個人や地域の特殊性を超える、世界的に共通する様式の創造を目指した。合理主義かつ機能主義的で、凸凹のない鉄筋コンクリートのキュービックな建物本体、フラットな陸屋根(ろくやね)、連続するガラスのカーテン・ウォールなどを用いた、直線的な表現を特徴とする。

インターナショナル・スタイル|現代美術用語辞典ver.2.0 – Artscape

Artscapeの現代美術用語辞典ver2.0によるとこのような特徴が挙げられるそうです。

 この深川東京モダン館でも、インターナショナル・スタイルの”鉄筋コンクリートのキュービックな建物本体”、”フラットな陸屋根”や”直線的な表現”が見られます。そういう意味では南西面の丸窓は一見すると異質に感じられました。

インターナショナル・スタイルの精神を目指したものというよりかは、当時のそういったアイデアを選択的に取り入れたという感じかもしれません。

参考資料

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